犬の肥満と寿命の関係

肥満の犬の寿命
数々の調査で肥満の犬は寿命が短くなるリスクが高いという結果が出ています。例えばチワワやヨークシャーテリア、ラブラドールレトリーバーなどの犬種では、肥満の犬は適正体重の犬と比較すると約2年も寿命が短くなってしまうというのです。肥満は飼い主さんが考えている以上に犬の体に悪影響を及ぼし、病気になりやすい状態を作ってしまいます。

肥満が引き起こす病気
肥満になると免疫力が下がったり、臓器の機能が弱くなったり、体が重くて関節に負担がかかるなどといったことが起こります。これらは、心臓病や糖尿病、膵炎、そして皮膚病や変形関節症などの病気を引き起こす要因となり、そして結果的にそれらの病気が犬の寿命を縮めてしまうことにつながります。

肥満の原因
肥満にはいくつかの原因が考えられますが、多くの場合が食べ過ぎによる肥満です。飼い主さんが適量でない食事量を与えていたり、おやつをあげ過ぎたりすると摂取カロリーが過剰となり肥満となってしまいます。しかし、パグやビーグルなど犬種によっては生まれつき太りやすい体質の場合もありますので、食事量には特に気を配る必要があります。また、食べ過ぎの他にも病気が原因で急激な体重増加がみられることもあります。その例として、ホルモンの病気である甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症が挙げられます。どちらも食べ過ぎが原因で起こる肥満と区別することが難しいので、不安を感じるときは獣医師に相談してみることもおすすめです。

肥満の予防・改善方法
肥満を予防・改善し愛犬の寿命を少しでも延ばすためには、正しい体重管理を行うことが必要不可欠となります。まずは犬の現在の体重を測定することから始めます。ただし、体重には犬種や年齢などによって個体差もあるため、体重だけでなく体型もチェックしていきます。理想的な体型は、肋骨部分を触ったときに肋骨にうっすらと触れて、犬を上から見たときに腰のくびれが若干わかる体型であると言われています。そして食事量と運動量を見直すことも重要です。食事は適正量を与え、与えすぎは避けるようにします。すでに肥満となっている場合はどれくらい減量したいのかを考え、普段の食事量の80％程度に減らして様子を見ていくと良いようです。また、ダイエット用のドッグフードも多く市販されていますので、うまく活用することもおすすめです。必要な運動量も個体差がありますが、基本的には1日2回散歩をして、散歩後に疲れた様子が見られれば十分なようです。