去勢や避妊と肥満の関係とは?
去勢・避妊の手術後は肥満になる?
去勢・避妊の手術後に犬の体重が増えてしまったという経験を持つ飼い主さんは少なくありません。医学的には、去勢・避妊手術を行なったからと言って必ずしも肥満になるわけではありません。しかし、手術を受けた犬は手術を受けていない犬に比べて肥満になりやすい傾向があるというデータも存在しています。
去勢・避妊手術で肥満になる原因は?
去勢・避妊手術を受けた犬が肥満になりやすいのには、いくつかの原因があると考えられています。まず1つ目に、手術によりエストロゲンという性ホルモンが低下するということです。このエストロゲンは食欲を抑制する働きを持っているため、エストロゲンが低下することが食欲の増加につながってしまうのです。2つ目に、手術後に生殖器がなくなることで、生殖器の機能を維持するために必要だった分のエネルギーが不必要となってしまう点です。エネルギー消費が少なくなったのにも関わらず手術前と同じ食事の量を続けていると、カロリー過多になってしまうのです。3つ目に、飼い主さんが術後の犬を心配してかわいがるあまり、食事やおやつを過剰に与えてしまう場合があるということです。飼い主さんの気持ちは痛いくらいわかりますが、これによって肥満になってしまっては元も子もありません。与えすぎには注意が必要です。
手術を受ける年齢と肥満の関係
体重の増加には、年齢も大きく関係しています。2歳以下で肥満になる犬は少ないのですが、2歳以上になるとその割合は徐々に増加していきます。そして最も肥満となりやすいのが6~8歳くらいです。このときに手術を行うとさらに肥満になりやすくなってしまいます。
肥満の予防・改善
犬の肥満の予防・改善には、運動はもちろんのこと、適正体重を確認することも大切です。適正体重は犬種や年齢などによって個体差があるため、それに合わせて飼い主さんが食事量をコントロールしてあげることが必要です。低カロリーなダイエット用ドッグフートも多く市販されていますので、それらを活用してみることもおすすめです。ただし、急激な減量は体への負担が大きいため危険です。週に現在の体重の1%程度の減量であれば安全であるとされています。減量のやり方に不安を感じる飼い主さんであれば、動物病院で相談しながら減量を行うといった方法もあります。去勢・避妊手術の後の肥満の予防・改善が将来の健康につながっていきます。